最高の「マクガフィン」とは?

パルプフィクション 財布

ビンセントベガが考える「マクガフィン」の定義が、「自分だけの物語を動かす装置」だとした場合、最高のマクガフィンは、なにか?

『パルプ・フィクション』(1994)でジュールス・ウィンフィールドが、大切にしているBAD MOTHER FUCKERと刺繍が入った革財布。これしか、考えられませんでした。

自分たちへ向けて、至近距離で発射された弾丸が体をすり抜けたとき、ジュールスは「神の啓示」を確信します。それまでは、ただクールだからという理由で、殺しの前に唱えていたエゼキエル書25章17節も、意味がちがって聞こえるように。

「この金は、お前の命を買うんだ」

朝食中に出くわしたカップル強盗。いつもだったら、問答無用で撃ち殺して終わらせるところを、奪われた財布だけを要求し、中身の1500ドルの札束は全部渡してしまいます。

金は渡しても、お気に入りのボロボロの革財布は渡さない、ジュールスのキャラクターにしびれまくりました。最後に唱えたエゼキエル書25章17節の解釈は、これまでとまったくちがうものになっており、映画のエンディングを飾るのにふさわしいシーンになっています。